大判例

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福岡高等裁判所宮崎支部 昭和28年(う)146号 判決

先ず原判示文書が選挙運動のために使用する文書であるかどうかについて考察すると、被告人の検察官事務取扱検察事務官に対する供述調書には、所論の目的で右文書を配布した旨の供述記載があるけれども、同供述調書には又、「今度の総選挙に鹿児島県第三区から立候補した岩川与助と親族関係等はありませんが、同人は私と同村出身の前代議士であり、今迄郷土開発のため相当努力してもらつて、お世話になつて居る関係で今回の選挙にも当選して貰つて、今後も郡の開発のため一層尽力して欲しいと考え、支持して来たわけであります。」との供述記載があつて、被告人は右岩川候補に当選を得させる意図でもあつたことが明らかであり、かような意図の下に、同候補の個人演説会の日時場所やその行動を一般に周知せしめる為使用した本件文書は、これを選挙運動のため使用する文書といわざるを得ないのである。

しかして、原判示第一の日程表の配布が頒布行為であることはそれが多数人に対して為されたことによつて明らかであるが、同第二の電文の作成打電の所為は、それだけを切り離して考えると、文書の頒布とはいえない。しかし前示被告人の供述調書によると口永良部島は離島で、日程表を送付していたのでは間に合はないため、電信によつたことが看取せられるから、両者は包括的な単一の意思を以て為されたものというべく、両者を併せて一個の頒布行為と見るのが正当である。従つて、右電信の送達を頒布行為でないという所論は当らないにしてもこれを別個独立の頒布行為と認定した原判決は事実を誤認したものというの外なくその誤認が判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、この点の論旨は結局理由があり、原判決は破棄しなければならない。

(後略)

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